< ヘブル人への手紙 1 >
1 第一款 キリストは大いに天使等に優り給ふ 神は昔預言者等を以て、幾度にも幾様にも先祖等に語り給ひしに、
2 此末の日に至り、曾て萬物の世嗣に立て、又之によりて世を造り給ひたる御子を以て、我等に語り給へり。 (aiōn )
3 彼は神の光榮の輝、其本體の印章に在して、己が権能の言を以て、萬物を保ち、罪の潔を為し給ひて、天に於て稜威の右に坐し給ふなり。
4 彼が天使等に優る者と成り給へるは、猶其受け給ひし御名の彼等に優れるが如し。
5 蓋神曾て天使等の敦れに斯は曰ひしぞ、[曰く]、「汝は我子なり、我今日汝を生めり」と、又「我彼に父たり彼我に子たらん」と。
6 又冢子を更に世に入れ給ひし時に曰く、「神の天使皆之を禮拝すべし」、と。
7 而して天使等に就きては、「彼風を其使者と為し、焔を其の役者となし給ふ」と言へるに、
8 御子に就きては、「神よ、汝の玉座は世々に在り、汝の王位の笏は義の笏なり、 (aiōn )
9 汝正義を愛し不義を憎めり、故に汝の神たる神は、喜の油を汝が同輩に優りて汝に注ぎ給へり、」と言ふ。
10 又曰く、「主よ、汝初に地を据置き給へり、而して諸の天も御手の業なり、
11 是等は亡びん、然れど汝は永存し給ひ、是等は皆衣服の如く古びん。
12 汝之を上衣の如く畳み給はんに、是等は變るべしと雖も、汝は同じきものにして變る事なく、汝の齢終なかるべし」と。
13 然るに曾て天使等の敦れに向ひてか、「我汝の敵を汝の足台と成らしむるまで我右に坐せよ」、と曰ひし事ある、
14 天使は悉く役者と成る霊にして、救霊の世嗣を受くべき人々の為に役者として遣はさるるに非ずや。