< コリント人への手紙第一 8 >
1 第四項 偶像に献げし供物 偶像の供物に就きては、我等皆知識ある事を知る。知識は驕らすれども愛は徳を建つ。
2 若人ありて何をか知れりと思はば、其は未だ如何に知るべきかを知らざる者なり、
3 人若神を愛し奉らば是ぞ神に知たるものなる。
4 偶像の供物を食する事に就きては、偶像の世に何物にも非ざる事、又一の外に神あらざる事、我等之を知る。
5 所謂神々は天にも地にも在りて、多くの神多くの主あるが如くなれども、
6 我等には父にて在す神唯一あるのみ、萬物彼に由りて生り、我等も亦彼の為なり。又獨の主イエズス、キリストあるのみ、萬物之に由りて生り、我等も之に由る。
7 然れども知識は各自に之あるに非ず、或人々は、今に至るも偶像を物めかしく思ひて、之が供物として物を食すれば、其良心は弱きものなるが故に、之に由りて汚さるるなり。
8 然れど食物は神の御前に於て我等を引立つるものに非ず、蓋食するも優る事なく、食せざるも缼くる事なかるべし。
9 但し汝等の其自由が、弱き人を躓かせざる様注意せよ。
10 蓋人若知識ある者が偶像の堂に於て食卓に就けるを見ば、其良心弱きによりて、己も誘はれて偶像の供物を食するに至るべきに非ずや。
11 斯てキリストの死して贖ひ給ひし弱き兄弟は、汝の知識の為に亡ぶべし。
12 汝等が斯く兄弟に罪を犯して、其弱き良心を傷つくるは、是キリストに對し奉りて罪を犯すなり。
13 故に若食物我兄弟を躓かするならば、我は兄弟を躓かせざらん為に、何時までも肉を食せじ。 (aiōn )